色弱・色覚特性とは

うちの息子は色弱があります。
現在だと「色覚特性」と言い、「赤」と「緑」が見えにくかったり「ピンク」と「グレー」が同じように見えたりするらしいです。
色覚の異常は遺伝
公益社団法人 日本眼科医会HPより引用
色覚の異常は遺伝なので生まれつき色が見にくく、良くなることはないですがそれ以上ひどくなることもありません。
上の図を見たことがある人もいるかもしれませんが、うちの場合は私が保因者で息子に遺伝してしまったということになります。
昔は小学校で検査していた色覚の検査は一度廃止になったため自覚する機会が少なくなった

私が子供の頃は、小学校で色覚の検査が義務づけられていました。
もし遺伝で色覚に異常があった場合、ほとんどの子供がそこでわかっていたのですが、その後不当な差別などを防止するために検査が行われなくなったので、わからないまま成長することが多くなったのです。
一時は一斉に廃止されていたのが、現在は希望者には検査を実施しているということです。
色覚検査は平成14年度まで学校健診の必須項目でしたが、一斉検査の方法がプライバシーの配慮が欠けていたり、色覚異常を指摘されても有効な指導や配慮が実施されていないなどの理由で廃止されました。廃止後、検査がなくなったことで色覚異常の学生が就職時に初めて気づき、困惑するケースなどが明らかになり、再び平成28年から希望者に対して学校で実施され、色覚検査を受けることの重要性と学校での適切な指導や配慮が求められるようになりました。
げんきキッズクリニックHPより引用
子供の頃からパイロットになりたいなどの夢があって、一生懸命夢に向かって努力をしてきたのに、進路を決める段階になって発覚したということも今まで少なからずあったようです。
そういったことを防ぐためにも、プライバシーに配慮した検査の復活は良いのではと思います。
色覚特性がある人は意外と多い
男性だと20人に一人、女性だと500人に一人の割合で色覚特性の人がいると言われています。
クラスの男子に一人はいる割合になるので、それほど珍しいというわけではありません。
大半の色覚特性の人は日常生活にそれほど支障があるわけではないですし、就けない職業はありますが就ける職業の方が圧倒的に多いです。
私も初めて息子に色覚特性があることを知ったときは、ものすごくショックで落ち込んだり子供に対して罪悪感を感じたりしました。
ですが、今からどうすることもできない以上は悩んでも仕方がないし、それより前向きに子供が充実した人生を送れるように考えた方がよっぽど建設的だと思いました。
私が息子の色覚異常を知ったきっかけ
息子が小学校4年生のときでした。
学校の視力検査で以前より視力が落ちてきたため、眼科に行って詳しく視力を調べてもらおうと行ったときに医師から「原因は遺伝になるのだけれど、生まれつきお子さんは見にくい色がありますよ」と言われました。
そのときは何を言われているのかイマイチ理解できずに先生の話を詳しく聞いていたのですが、話を聞いているうちに思い当たるフシがあって非常にショックでした。
気づかなかったが息子が色が見えにくい兆候はあった
子供がまだ保育園に通っていたときなので5歳ぐらいだと思うのですが、「おかーさん、虹って七色って言うけど3色しかないね」と言ったのです。
その日は外出していたら綺麗な虹が出ていたので二人で見ていたのですが、私から見ると七色とまでなくても五色ぐらいはハッキリ見えたので「太陽の反射か何かで見えにくいのかな」ぐらいにしか思っていませんでした。
服を選ぶときもピンク色の服を選んだことがあって、「ピンクでいいの?」と聞いたら「ピンク?いやピンクじゃないやつにする」と違う色の服を選んだのですが、あとから考えてみたらあれが色が見にくいサインだったのだな、と思いました。
今振り返ってみたら、写生会で景色の絵を描いたときに花の色が実際の花の色と違ったこともありました。
本人は生まれたときから自分が見えている色の中で生活しているので、自分が人より色が見えにくいなんて思ったこともなかったと思います。
もし生活している上でお子さんが、色について「あれ?」という発言があったり、選ぶ色が普通と少し違ったりすることがあったら、ちょっと気にしてあげてみて下さい。
また、保育園や小学校でお絵かきや図工の絵で使う色が実際の色と違うな、と思ったら一度眼科で聞いてみるといいかもしれませんよ。
色覚補正レンズの存在を知ってネオ・ダルトンのレンズを作りに行った

今まではあまり不自由がなかったのですが、中学校に入ってから美術の成績が色が見にくくて下がったり、社会のテストの地図の色が見にくくて問題を間違えてしまったことがありました。
現在の教科書はユニバーサルデザインで色覚特性の人でも見やすくしてあるのですが、それでも色の見え方は人によって違うため、ユニバーサルデザインの教科書でも色分けが見にくかったりすることがあるようです。
そんなとき、インターネットで「色覚補正レンズ ネオ・ダルトン」の存在を知りました。
メガネスーパーさんで取り扱っているということでしたが、私が住んでいる地域にはメガネスーパーはなかったため札幌まで作りに行ってきました。
ネオ・ダルトンのレンズを試着して見えやすいものを選べる
PRTIMESより引用
現在ネオ・ダルトンの補正レンズは色の見え方に合わせて12種類のレンズがあります。
見え方には個人差があるので、息子が色々かけてみたときもレンズによって弱いものならほとんど変わらないし、強すぎると逆に見にくかったりしたということでした。
タブレットで普段見にくいマグロのお寿司や焼いたお肉、花火などをレンズを着けたり外したりして見比べてみたり、外の景色を見比べさせてくれたり、かなり時間をとって試着させていただけたので、ゆっくり選ぶことができました。
ネオ・ダルトンのレンズで色の見分けはつくようになるのか?
これからレンズを購入しようと考えている人は、一番気になることだと思います。
私が着けて見たわけではないので息子の感想になりますが、「スゲー、色わかる!」ということです。

こちらの色の並び替えをやったときに裸眼だと本当にバラバラだったのが、ネオダルトンのレンズをつけたらきちんとグラデーションになったのはビックリしました。
私が小学校の頃に受けた、検査の数字を答える絵本の色覚検査もほぼ見えるようになり、外の花の色も「いつも見ている色と結構違うんだね」と言っていたので、色が見分けやすくなったのは確かです。
もちろん、「色覚の異常を治すレンズ」ではないので根本的に治るものではないですし、レンズをつけたら逆に見えにくくなる色もあるということです。
うちの息子は青系の色はレンズが無いほうが見えやすいと言っていました。
インターネットでも、色覚補正用のサングラスも売っています。
色覚特性の検査によって、子供がショックを受けることもある

息子に最初に「色が見えやすくなるレンズがあるんだって。旅行がてら札幌に行って見てこない?」と聞いたときに「嫌だ、絶対に行かない。」と言いました。
理由を聞くと「別にそこまで困っていないし」ということです。
少し説得を試みてみましたが、無理強いしても親の言うことを素直に聞く歳でもないので、「じゃあ、もし興味が出て着けてみたくなったら、札幌に行けるように休みとるから言ってね」と言っておきました。
その1週間後ぐらいに思い出したかのように、「やっぱり試すだけ試してみる・・・でも買うかどうかわからない」というので、気が変わらないうちにと次の週には来店の予約をして札幌に行ってきました。
お店に着いて、まずは色の並び替えのテストをしたり色の中にある数字が見えるかのテストをするのですが、息子はそれが全然わからず、実際に検査するまで自分がそこまで色が見分けられないとは思っていなかったようで、結果にとてもショックで物凄い落ち込んでいました。
一通り検査が終わって、試着も終わっても「別に買わなくてもいいんだよね」と購入には乗り気ではなかったです。
何よりその場から早く帰りたそうだったので、私も辛そうな息子を見ていて胸が痛くなって泣きそうになってしまいましたが、「欲しくなったらまた来て作ればいいし、いらなかったら無理してつけなくてもいいよ」とその日は作らなかったんです。
息子も自分が遺伝で色が見えにくいということは知っていたのですが、検査をしてみて自分がどれだけ色の見分けがつかないか、というのを目の当たりして、物凄いショックを受けてしまいました。
帰り道に「無理して作らなくてもいらなかったらいらないでいいよ」と声をかけるとちょっと小さい声で「うん」と言っていて、そんな子供の姿を見て、私も泣きそうになりながら二人で帰り道を歩いたのが忘れられません。
札幌から帰ってきてしばらくしてから息子がレンズが欲しいと言った!
札幌で検査をレンズの試着をして、帰ってきてからしばらくして息子が「おかーさん、やっぱりあのレンズ欲しい」と言い出しました!
私もその言葉を聞いて早く子供にレンズをつけさせてあげたかったので、最短で札幌に行ける日を決めて早速正式に作りにメガネスーパーに行ってきました。
その場ですぐには出来ないので出来上がったら自宅に送ってもらうことにして、無事にレンズを購入することが出来ました。
ネオ・ダルトンのレンズついて
PRTIMESより引用
ネオ・ダルトンのレンズの価格
レンズは一枚45,000円するので両眼分90,000円になり、フレーム付ではなくレンズのみの価格になります。
以前は両眼分で70,000円のレンズだったようですが、2019年3月15日より新しいレンズがリリースされたので、現在は90,000円になります。
ネオ・ダルトンのレンズの色
PRTIMESより引用
レンズの色はこちらにある色、ほぼそのままになります。
最初は「実際に出来上がってみるともう少し色は目立たないのかな?」と思いましたが、いざ届いてみると結構そのままの色でした。
ただ、息子は「おおー、格好いい!」と今回購入したレンズの色をかなり気に入っています。
ネオ・ダルトンのレンズに度は入れられるか
ネオ・ダルトンのレンズに度は入れられません。
うちの息子は近視もあるので、今まで持っていた近視のメガネにつけられるようにと、メガネにかぶせて使う磁石式の物にしようと思ったのですが、今まで使っていたメガネに合うものがなかったので結局フレームも新しく作ることにしました。
それがこちらのメガネとかぶせるタイプのレンズです。


上はネオ・ダルトンのレンズをつけた状態、下は外して近視のメガネだけの状態で、近視のメガネはそのままで必要に応じてネオ・ダルトンのレンズをつけたり外したりすることが出来ます。
上から引っ掛ける+磁石でくっつくので、かなり激しく動いても取れる心配はなさそうです。
気に入ってくれたのは子供が見やすい色のレンズがピンクのタイプのものではなく、オレンジ色のタイプのレンズだったのも良かったのかもしれません。
今回ネオ・ダルトンレンズ+フレームに加えてせっかくなので直近の視力に合わせた近視のレンズに変えたので、近視のレンズ代もプラスで合計130,000円以上の大出費でしたが、ネオ・ダルトンのレンズは一度作れば色覚の見え方は変わらないので、買い替えなどは必要なくずっと使えます。
逆に、これから高校や大学になると月々の出費が今よりかかるので、今のうちに買っておいて良かったと思います。
ネオ・ダルトンのレンズは学校に持っていけるか

これはその学校によって違うかもしれません。
見た目が本当にサングラスっぽいので、全部の学校がいいと言ってもらえるわけではないかもしれませんが、息子が通っている学校には担任に話をすると大丈夫でした。
いきなりつけていくのではなく、「色つきのレンズなのでサングラスのように見えるが学校で常につけているわけではないこと」、「子供が授業で見えにくい色があってわかりにくいところがあるので、補うためにつけさせて欲しいということ」「使う教科も決まっていること」伝えみましょう。
担任の先生から教科の先生に伝えておいてくれたりして、大丈夫と言ってくれる可能性が高くなりますよ。
まとめ
子供の色覚特性のためにネオ・ダルトンのレンズを購入しましたが、感想としては購入して本当に良かったと思います。
実際に子供が今まで見にくかった教科書の色が見やすくなったり、今までわからなかった色もわかるようになったのでとても喜んでいます。
子供から「おかーさん、買ってくれてありがとう」と聞いたときに涙が出てしまいました。
今も「この花ってこんな色だったんだね」「この色今まで見えていなかった」とネオ・ダルトンのレンズをかけると新しい発見がたくさんあるようです。